こんなのウソだって一気に思った
だけどもう一人の自分は納得していた
この光景は何だろうと思ったけれど
どこかで受け止めていた自分が怖い
でもこんな形望んでなんかいなかった
今だから言えるけど
あの時瞳にうつった貴方が憎かった



青春ビギニング 9






「じゃあ今日はここまで!」
物理の教師がそう言ったと同時にチャイムが鳴り響く。
そして赤木が勢い良く立ち上がり教室を出た。
「赤木君待って、あたしも行くよー。」
赤木の後をが慌てて駆け寄る。
二人並ぶと端から見ると少し微妙である。
「最後の問題、よくわかったね赤木君!
 あーあたしはやっぱ物理ダメなのかなぁ。全然わかんない。」
そんなの姿を見て、赤木はフと軽く笑う。
「人にはそれぞれ得意不得意があるだろう。
 それもあるが、今からは部活だぞ、!」
「はい、主将!」
そうして二人はバスケ部のいる体育館へと足を進めた。




桜木軍団がそろった今、最早勝敗は決定していた。

つい先ほど、鉄男という主力が桜木によって倒されたのだ。
そして主犯の三井も水戸の手によって立っているのもやっとである。
他の軍団の方も勝敗は決していた。

「・・・強ぇ。」
思わず、誰かがぼそりとそう漏らす。
は確信していただけにさして驚きはしなかったが
流川を時折見つつ、じっと桜木達の方を見据えた。

そんな中、鉄男を倒した桜木がジロリと他の
不良グループの方を向いた瞬間
不良達が慌てて出入り口の方へと走っていった。
「ひいぃぃぃっ殺される!!」
「冗談じゃねぇ!そもそもオレたちゃ関係ねーんだ!!」

「あ、バカ野郎!!」






出入り口の人だかりに、赤木とは少し困惑する。
「あのー・・中に入らせてもらえませんか?」
がそう言って人だかりの前列にいる教師に話しかける。
みれば、先ほど授業中に目撃した廊下で慌てていた教師達である。
その教師達は達を見た途端ものすごい形相になる。
「それはこっちの台詞だ!中で何をやっとるバスケ部は!?」
「へ!?ぶ、部活ですけど・・。」

「こんな締め切って中でガンガンぶつかるのが部活というのか!?」

教師の言葉にと赤木は一瞬硬直した。
思わず、は教師に聞いてみる。
「あの、どういうことですか・・!?」
「どうもこうも知らん!騒ぎがあったからきてみれば
 カーテンも扉も完全にしめきりおって!!」
と教師が会話している横を赤木がすっと横切る。
それにつられ、も赤木の背後につく。
出入り口の最前列にきて、扉にてをかけようとした瞬間、
それは向こうから切り開かれた     



突然出入り口を開けた瞬間
ものすごい威圧感を出した赤木を目撃してしまった
不良達は驚いてその場に立ちすくむ。
赤木で中が伺えないはそのまま赤木の背後につき、
体育館へと入る。
しかし、次の瞬間赤木が後ろ手で体育館をバシンと締め切った。

「秘密の特訓中ですので。」
そうして扉を閉めた状態のまま外にいる教師達と会話している。
それを気にしつつ、はひょこりと顔を出す。
そして、その後目の前の光景に絶句した。

「・・・・・!?!?」
血塗れの体育館、土足であがっている為床がひどく汚れている。
少し見渡せば近くには血塗れの流川を抱きかかえている達の姿。
もっと視野を広くすれば他の部員達や桜木軍団も伺えただろう。
しかし、そんなとこまで今のにはまわらない。

今、最も自分が目線がいくのは
視線の先にまっすぐ立ちすくんでいる
三井 寿の姿だけである。

呆然と見ていることしかできない
三井はバツが悪そうに、そして悔しそうに見据える。
のほうは未だ呆然としているだけだ。
そうして周りにも聞こえにくい声でぼそりと言った。

「・・・みっちゃん・・・!!」

みっちゃん!?
その単語に驚いて一斉にと三井を交互に
他の部員達は見る。

そんなの横を静かに横切り、
赤木はスッと三井の目の前に立つ。
「三井・・・。」
そしてその後まもなく赤木の平手が
思いっきり三井の頬に当たった。

「知り合いか?」
そう言って不思議そうに見つめる桜木に
宮城が一言付け加える。
「木暮さんも知ってる風だったぞ。」
「メガネくん?」
「それに・・さっき先輩、
 あの三井ってヤローに”みっちゃん”って・・。」

丁度その時、フラフラとしながらも
流川もと一緒にコートの方へと歩み寄る。

そして木暮が桜木に施されると
木暮は後ろめたそうに小声で呟くように言った。
「三井は・・・バスケ部なんだ。」
「え・・!?」

それを聞いた瞬間、辺りにいた部員達は驚きの表情をみせる。
今もなお三井に赤木が平手打ちをかましているのを
チラリと見、そうして視線をそのままの方に向けると
更に言いにくそうに呟いた。



「それに・・と三井は幼なじみなんだよ。」



それを聞くと一同は更に驚いた。
「え!?」
そしての方に一斉に視線を向けると、
はじっと三井の方を見据えている。


今頬に赤木から強烈なビンタをくらっている
三井を見つつ、脳内には昔見慣れた懐かしい
三井の笑顔と一つの言葉が浮かびながら      





『連れてってやるんじゃねぇ、一緒に行くんだろ?』





覚えてる?みっちゃん。
あたしはあの頃の会話、一つだって忘れたりしてないよ。
みっちゃんがいなかったらあたしがここにいることなんて
なかったんだから。ねえ、みっちゃん。
あの頃と変わらないままあたしはここにいるよ。
これからも一緒にいれる、ずっとずっと一緒にいれるって
何の疑いもなかった。
だから、ああなってしまったあの時、どうすればいいのか
何をしたらよかったのかあたしには分からなかったよ。
あんなことになるなんて夢にも思っていなかった。

崩れるなんて最初から考えもしていなかったんだよ。

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やっとみっちーとさんが接触・・!!
何か9話は短めですね。アレ、長いか・・!?
次回は回想シーンってことになります。
1,2話はさんメインでよろしく☆
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