自分がこうやってしている時に
今頃どうしてるのかな、とか自然と考えていた
それは今だから気付いてること
勿論あの時は悪いけどあんまり覚えていなかったような気もする
だって目の前のほうが・・なんて言ったら

やっぱりいつもみたいに不機嫌そうな顔をする?



青春ビギニング 34






体育館でポツンと突っ立っている桜木を残したまま、
は少し不服そうに廊下で安西と話し合っていた。
「つまり、花道には中途半端なチーム練習よりは
 徹底的に個人練習をしたほうが効果的ってことですよね?」
「ほっほっほ・・その通りです。」
安西の応答にはフッと息をつく。
「それであたしもだったわけかー。」
「先に伝えておくべきだったと思いますが、
 何せ急にくんも残ることを決めたので・・・。」
「ああいえ、別にそれはいいんで・・。」
そう言ってチラリとは横にいる桜木軍団を眺める。
にたついたその表情を見るのもなんだか久しぶりで少し呆れる。

「・・で、何であんたらはいるんだよ?」
「ヒッデー!俺達はオヤジに頼まれたんだぞ!!」
高宮がブーブー言いながら講義すると横にいた大楠と野間も
「そうそう」と言って同意する。それに対しは首を傾げる。
「頼まれた?」

「ええ・・彼らは桜木君のボール係とビデオ係です。
 今回は桜木君に徹底的にシュート練習をさせるつもりです。」
「え・・それだけを・・?」
安西の言葉に疑問をもったであるが、安西はの言葉を聞きながら
ニコリと微笑み返し、そっと告げた。
「まぁ、詳しくは桜木君と一緒になって説明します、体育館に入りましょう。」





そして、当の桜木はというと・・置いてきぼりをくらって眉間に皺が寄っていた。
(許せん・・この仕打ち・・俺だけ除者に・・許せん・・オヤジの野郎〜〜っ!!)
ふつふつと湧き上がるこの怒りをどうしようかと考えていると
ガラリと体育館の扉を開ける音が聞こえた。

「準備運動は終わったかね?」
「あぁ!?・・・・あ?」
声を聞いた桜木は振り向いてみるとそこにはと安西の姿が。
しかも安西が普段と違い、Tシャツと半ズボンというまるで
今からスポーツをする格好をしているので思わず間抜けな声を出してしまう。

「お・・オヤジ・・無茶はすんなよ・・。」

桜木は半ば心配そうに安西に話しかける。
そんな桜木を余所に、安西はとあることを提案した。
「桜木君、私と勝負してみないかね?」
それを聞いた瞬間、桜木は顔をしかめる。
のほうも、安西のしたい意図が読めず首を傾げるばかりだ。
しかし、出入り口の隙間から何やら微かに機械音が聞こえるのを
感じたのでそちらの方をチラリとのぞけば、桜木軍団たちの声が聞こえる。

『早く準備しとけって!』
『わーってるよぉ、そうせかしなさんなって。』


(・・・もしかして。)
そう思いながらは視線を桜木達に戻す。
するといつの間にか桜木は安西の肩に腕を添えて、諭すように話し出す。
「オヤジ・・誰も遊んでくれねーんだな?
 だがこの天才もそしてもI.H間近で暇じゃねぇ、
 オヤジの道楽に付き合っている暇はねーんだよ。」

するとすこし間があったが、安西がスッと人差し指を差し、こう提案する。
「こういうのはどうかね?君が勝ったら今すぐ静岡にいって合宿に参加してもいい。」
それを聞いた途端、桜木は調子よく「勝負せいやオヤジ!」と意気込む。
安西はそれを笑ってみているだけ。
はそれを黙ってみていた。


勝負はシューティング勝負、ジャンケンで先方後攻を決めた後に
安西はたぴたぷと丸い身体を揺らしながら準備運動を始める。
それを見た桜木はププッと噴出し、流石のも口に手を添え笑うのを堪えた。
そうして、安西がいよいよシューティングの体制に入る。
どうなるであろうかとは内心息を呑みつつ安西を見つめた。



結果、10本中9本




「・・・・はー・・。」
思わず、は感嘆のため息をつく。
以前彩子達が言っていたが流石元全日本、その偉業は伊達ではなかったのか。
そんなことを考えていると、今度は桜木の番。
この男は10本中10本入れないと負けとなってしまう。
今度は桜木を見ながら様子を見守ることにする。
するとまたしても出入り口のほうから声が聞こえる。
はチラリとまたそちらのほうに視線を向けた。

『おいおい始まったぞ!』
『よーし、どんなもんをみせてくれるかな!』

そう言って出入り口ギリギリにスコープをセットする。
それを横目に見たは軽くため息をつく。
丁度その時に桜木はぎこちなくシュートを放っているところであった。







結果は           


「・・・1本でも入りましたか?」
聞き様によっては皮肉ともとれるその発言に
桜木は涙ながらに「入ってねぇよチクショー!」となげやりに答える。
予想通りといえば予想通りであるがまさか0本とは・・
桜木を眺めながらは唖然としてしまう。
「君達、入ってきていいですよ。」

安西にそう言われてゾロゾロと水戸達が体育館へと入ってくる。
この男たちの存在を知らなかった桜木は驚くばかりだ。
「協力者達です。」
「よぉ花道!」
「おめぇの華麗なフォームをおさめたぜ!」
「マグレで一本ぐらいは入ると思ったけどな!」
「1/10とは・・完璧だぜ、流石花道。見事期待に応えてくれるよな!」
そういうと一斉に笑い出す。
それを横で眺めていたは呆れて何も言わない。
一方いいように言われた桜木は再びぎゃあぎゃあと騒ぎ出す。

「何が協力者だこのヤロー!!」
すると高宮がメガネをキラリと光らせ、サッと遮る。
「言葉に気をつけろ!俺は監督公認のビデオ係なんだぞ!!」
それを聞いた桜木は唖然とした。
高宮がキリッといったが、は横でスパッと告げる。
「よく言うよ、出入り口で笑って準備してたくせに。」
「あ、なんだ聞こえてたかー。」
そう言ってまたしても笑う、は横目で見るだけだ。
そうしていると安西が話し出す。

「桜木君、君。」

安西が二人を呼び掛けたので、自然と桜木とはそちらを振り向く。
「インターハイまであと10日、その間はこのシュートだけを徹底的にやる。
 徹底的に、そのために桜木君はここで合宿です。」
「が、合宿・・!?」
「それから君、君も勉強合宿です。」
「勉強・・?」
それを聞いたは首を傾げる。
予想外の”が勉強合宿”というありえない展開に
桜木だけでなく水戸たちも少し驚いている様子であった。
安西は言葉を続ける。

「そうです、インターハイになる前に更なるサポートをお願いします。
 そこで桜木君をサポートしていく一方で、完璧にルールブック・応急処置を
 マスターしていく必要がある。」
そう言って安西は出入り口の近くにおいてあったバックからルールブックを取り出す。
本を受け取ったは少しだけ嬉しそうな笑みを浮かべる。
「最終日にテストかなんかあるんですか?」
「ほっほっほ、彩子君たちに頼んでいます。」
それを聞くとはフッと笑みを浮かべた。
そんな会話をよそに、桜木は安西に詰め寄る。
「オヤジ!本当にできるようになんのか!?」

「・・・君次第ですよ、桜木君。」

言いながら、安西はビデオの見れる教官室へと足を運ぶ。
安西についていくようにたちもまた体育館をあとにした。
横にいる桜木を見上げながらは笑みを浮かべる。

(・・あんたがまたワクワクさせてくれんだね。)

桜木の更なる活躍を期待していることを胸に秘め、
も安西から借りた本をきゅっと握り締める。
(あたしもあんた達を全力でサポートできるように頑張るよ。)






一方その頃、静岡の常誠高校との練習合宿では、丁度試合中であった。

「流石静岡1位で昨年ベスト8だな。」
感心したように木暮は言うと、からドリンクを貰う。
湘北もいい感じで追いついてはいるのだがなかなか点差は縮まらない。
「桜木君やちゃんがいない分、しっかりうちもやっていかなくちゃね!」
が威勢よくそう言うと、赤木もそれに同意するように言い放つ。

「そうだ、今頃桜木の奴もと一緒に頑張ってる頃だ。」

そして一息おき、真剣なまなざしで皆に告げる。

「これで負けたなんて言ってみろ・・また付け上がるに決まってる。」


赤木の言葉を聞いてメンバーたちは脳内にポンっと桜木を思い浮かんだ。
そこにはいつものように調子に乗った桜木の姿が。
『やはりこの天才抜きじゃどーにもならんな君達!!』
それを思い浮かんだ瞬間、赤木・宮城・三井は顔を険しくする。
流川にいたっては脳内に更に、桜木の横にが出てきた。
『ありゃー流川負けたのか、これは花道がいなきゃマジでダメかもなー。』

(・・あのどあほうが・・・!!)

そう考えた瞬間、メンバー達は一斉に円陣を組む。
「絶っ対、勝ぁぁつっ!!」
「おおー!!」
突然の湘北サイドの意気込みに常誠サイドは少しビクッとさせる。



この意気込みのせいかは分からないが
この合宿で湘北は昨年全国ベスト8の常誠高校相手に
1勝1敗1引き分けという快挙を成し遂げた       



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さんの勉強合宿というのは当初考えてませんでした。
今回は流川の脳内でさんが出てきて桜木と一緒になって
ダメだったねーみたいなことを言ってくるのを想像して
ムカっときた流川がかきたかったんです、すいません(またか)
あぎゃーみっちゃんがまったく出てない!!

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