あの日の君を嘘にしてしまうなら

歪になることだけを
ずっとずっと考えていた
明日を願うことならまだゆるされる
けれども、ぼくには
生きる分だけのひかりもないよ

嘘にまみれて
正しさなんてほしくなくて
永遠の不在を知った日
その意味に、気づいてしまった日
誰もいない庭に
音楽家のことばが静かに落ちた

祈ったことも
うまれてきてから呼吸を繰り返したことも
かきむしるほどに増える痛みが
知らないだれかをかなしませたことも
もう、ここでおしまい

幾度でもだまされて
きみのためになら空白にだってなろう
もう何もない部屋に
心音がひとつ響くだけ

それでも泣くな、きみよ
いつしか耐え切れず
あの日のすべてを嘘にしても
たおやかな腕の中の
流れていった体温だけは変わらないから


(062407)