僕が捨てた町

十億の星の下で
ぼくらばかりが唄っている
教会の裏庭で
灰になってゆく聖書を見ている

もうだれもあいせなくても
笑うことができなくても
いつしか鼓動を放棄する身体で
今だけを過ごしていても
ぼくたちはそれでもそうであっても、
いつか
夜に抱かれて眠る月を探り
そして
光を携えて唄う小鳥と共に

せんのような雨は途切れた
ぼくの来た道は乾かない

次のノアはだれだ、
箱舟に乗るのはだれだ、


(072306)