長い夢の終わり

ぼくの手の中で何かが始まり
何かが始まらない日
森から流れてくる沈黙について
ひらけた夜に投げ込まれる星について
ひとびとの祈りについて
ぼくは考えていた
ラジオからはさあさあと
雨の降るような音がしていた

ぼんやりとした影は
名づけられることもない
カンヴァスに広げた虹をとっても
呼吸することはなかった
沈黙は小鳥の古ぼけた音色で褪せ
星は遠くで生まれては死に
ひとびとの祈りは
神の足下で黙りこんだ

ぼくの手の中で何かが終わり
何かが終わらない日
天から落ちてくる雨について
神々と共に目を覚ます朝について
ひとびとの行く場所について
ぼくは考えていた
教会からはちろちろと
宇宙のような灯りがもれていた


(081206)